DeNAの虚偽キュレーションプラットフォームが大炎上し、守安社長が6カ月の給与半減、デート通やイエモを運営していた村田マリiemo社長が辞任の意向をし(辞任の発表ではない)、中川綾太郎ペロリ社長が辞任しました。村田マリさんと中川綾太郎さんは、DeNA本体の人事、ヒューマンリソース本部人事付けに配属し、退職はしておらず、メディアへかかわらないことへの未来永劫の保証はできないと会見で守安社長は語りました。合わせて元マッキンゼーで、DeNA創業社長の現在会長の南場智子さんが、守安社長とともに代表権をもつこととなりました。
さて、虚偽キュレーションプラットフォームである、DeNAパレットとして運営されていたMERY、WELQ(ウェルク)はどのような運営方針の元、どのような成長をしたのか、第三者委員会の示した300ページを超える資料から読み解きまとめていきます。
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まず、どのようにDeNAという上場企業が医療デマサイトを運営する事件を起こしたのかについては、過去のまとめを参照してください。
WELQ(ウェルク)から始まった、パクリキュレーションサイトの閉鎖経緯
また、ご自身の目で第三者委員会の資料を確認したい方は、後述する画像や内容の出典である第三者委員会調査報告書の受領及び今後の対応方針についてをご確認ください。(※原則すべて出典元は上記であるため、表記を割愛します。なお、明示しているものは表記内容を優先とします。)
関連記事としてハゲラボのパクリ問題懸念、MERY(メリー)運営ペロリのCEO中川綾太郎さん周辺を調べてみたら凄かった件もぜひチェックしてください。
もくじ
第三者委員会は、医療にかかわる事件であるにも関わらず、一部のみの確認しか行っていない
医療情報のデマについては、健康被害にあっている方がいます。またデマと知らずに閲覧し今でも信じてしまっている方は、今後健康被害に会う可能性があるかもしれません。それにも関わらず、すでに指摘されたデマの検証のみにとどまっている。指摘済みの19記事中10記事(53%)に対し、薬機法について8本、医療法について1本、健康増進法について1本の違反の可能性が分かったとされている。
WELQは以下のように、記事を月に1092本~3488本掲載することで、閉鎖前には日別ユニークユーザー数で280万人も稼ぎ出している。累計記事数は35197本である。つまり、記事内容に照らして、薬機法、医療法、健康増進法の確認を行ったのは、35197本中の19本、すなわち0.05%のみとなる。表から医療に関する指摘は81件来ていることがわかるが、それすら見ていない可能性がある。(※重複する指摘による可能性もあるため断定はできません)
ちなみに、サイト全体の日別ユニークユーザー数のみしか掲載していないため、薬機法、医療法、健康増進法違反の可能性がある記事が何人に見られたのかも定かではありません。
薬機法、医療法、健康増進法違反の可能性がある記事が確認した中で、53%含まれていた事を踏まえると、ウェルク掲載の35197記事の53%である18654記事は、指摘はされていないが、薬機法、医療法、健康増進法違反だったかもしれないということもできるのではないでしょうか?もちろん、これだけ多くの人の目に触れているので、違反があれば誰かが指摘してくれているだろうと甘い味方をすることも可能かもしれません。ですが、見過ごしている可能性も否めません。
なぜ、医師や専門家に確認をしないのでしょうか?どれだけお金がかかっても全文チェックを行い、判明したデマをコーポレートサイト上に公表していくべきなのではないでしょうか?今回の調査結果は迅速に行うことが求められたことを考えると、仕方ないことかもしれません。しかし、医療のデマを振りまいて稼いだお金は、誤った知識を正していくために使うことが責務であると思えてなりません。創業者であり会長の南場智子さんが二人目の代表取締役となったことから、本格的な補償や確認、対応が始まるものと考えられます。引き続き厳しい目で見ていく必要がありそうです。南場智子会長には、ぜひ正しい情報を伝える医療情報サイトを適切な形で運営していただければと思います。
WELQのサイトアクセス数の上昇について
TVメディアではあまり成長の成り行きについては触れられていません。しかし、新規事業運営においてどの程度工数をかけて記事を制作していけば、アクセスが望めるのか一つの指標になるかもしれません。ただし、事件後Googleはパクリサイト対策をリリースしていますので、パクリ情報サイトだと、同じような集客はできなくなりました。また、記事のテーマ特性によって検索回数が大きく異なるため、扱うテーマによっては集客できない可能性もあります。
あくまでも質が担保された記事で、同じテーマで、同じ程度の分量の記事を同じ頻度で量産すれば、という意味になりますのでお気をつけください。
前述の表をPressPlatinumにてグラフ化してみました。記事数については10000記事を超えたあたりから日別ユニークユーザー数(DAU)の伸びが加速しているように見えます。こうなると、集客による収益化が加速され、やめられない止まらない状態になっていったものと考えられます。
記事構成案の作成マニュアルについては以下のような記載があります。
Google検索の結果上位10位のウェブサイトの内容を確認し、予測キーワードを盛り込むといった記事構成案の作成手順を示すのみならず、クラウド執筆ライターが記事を執筆しやすいような記事構成案の例や、予測キーワードを意識した記事構成案の例を明示したり、DeNAが運営しているサイト以外のQ&Aサイト、ブログやニュース等の記事サイト、通販サイトや口コミサイト等における記事構成を参考に記事構成案を作成する方法を例示
このようなマニュアルにより、効率化したうえで記事を大量生産していたことがあきらかになりました。SEO対応としては理にかなった方法だとは考えられますが、医療メディア従事者として、適切な行動だったかどうかは疑問です。
また、集客のために正確性よりコストと集客を重視する考えのなか、運営するようになったとこを明示しています。
記事内容の正確性を担保するためには、医師監修を付けることが必須であると認識してはいたものの、それを実施するためにはコストを要する上、記事を大量生産するためには、医師監修を経ていない、内容の正確性に疑義のある記事が作成されてもやむを得ないと考えるようになった。
記事の執筆者は大多数がクラウドソーシングによる執筆ライターによるものが約90%を占めており、キュレーションプラットフォームとして責任を回避していたのにもかかわらず、一般ユーザーによる投稿記事は約4%しかなかったことも明るみになりました。
WELQの記事作成において全体の90%を占めるクラウドソーシング等による執筆ライターへパクリ記事を作成するマニュアルとして、見出しの数を増やし、文章を充実させるという方法について、ツイッター上では「大学生のパクリ卒論のようだ」という声も散見されました。
辞任した中川綾太郎さんが創業したMERYの成長について
2013年4月18日にサービスインしたMERYは中川綾太郎ペロリ社長の考えの元、アフィリエイトや動画広告を掲載するよりも、タイアップ広告を掲載する方針としており、SEOや収益化を急ぐ守安DeNA社長の考えに対抗していたと回答しています。しかし、キュレーションプラットフォームとして機能していたのは18%の一般投稿の記事のみであり、31%がスポンサー記事、残りはペロリ社がインターンやアルバイト、クラウドワーカーに依頼して作成した記事だったことが判明しました。
ブランディングを優先する中川綾太郎ペロリ社長の意向もあってか、運営機関やフェーズの違いもありえるがWELQの記事大量投下によるアクセス急増とは異なり、MERYは記事投下に対して日別ユニークユーザー数の伸びは鈍化していたようです。アプリの成長によってむやみにユニークユーザーを増やすというより、深くMERYに接していただく方針だったようで、その甲斐あって、MERY閉鎖に関して悲しむ声が上がっていました。
おわりに
他にも、村田マリさんのイエモについても分析をしていこうかと思いましたが、なかなか分析・執筆時間が取れず、旬な時期を逃してしまいましたので、これにて分析を終えたいと思います。中途半端ですみません。ご要望ございましたら、コメントいただければと思います。
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