楽天が日本郵政と協力し、宅配・物流の改善へ /EC物流における不在再配達削減対策とは

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楽天株式会社は、日本郵便株式会社との連携を強化し、不在再配達削減に向けた対策を取っていくことを公表しました。過去には佐川がアマゾンとの取引から離脱。直近ではクロネコヤマトが値上げを発表。パナソニックが宅配ボックスの受注急増など発表していました。ヤマト運輸がアマゾンの当日配送から撤退というニュースまででてきています。物流業界は今、どうなっているのでしょうか?まとめます。

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物販EC業界の市況は?

経済産業省による平成28年6月に発表された電子商取引に関する市場調査によると、物販に関するインターネット通販の市場規模は2015年で7兆2398億円に上り、昨対比6.4%の伸びとなっています。
出典:経済産業省平成 27 年度我が国経済社会の 情報化・サービス化に 係る 基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)
EC化率は4.75%であり、これほどに活況に見えるインターネット通販も、まだ大きな伸び代があると言えます。

物流業界で今何が起きているのか?

NHKのクローズアップ現代で、詳しく解説されています。その中での分析として、ドライバー不足について言及しています。

物流業界全体ではドライバーの不足が深刻になっています。
厚生労働省の調べでは、ほかの産業に比べ労働時間が長く、所得も低い水準にあります。
このためドライバーが定着しにくい

出典:モノが運べない!?“物流危機”クローズアップ現代
これらは、時間指定の増加による午前や夕方以降に希望の6割が集中することや、工場への原料の配送、工場からの製品の配送という面についてもウエイトが大きいことを指摘しています。

物流を救うため、再配達の不利益を環境省も啓蒙

環境省調べによると宅配荷物をサンプリングし、GPSで追跡したところ、25%が再配達によるものだとわかりました。また、年間CO2排出量は42万トンに上るとの試算を発表しています。
42万トンと言われてもピンときませんが、全国地球温暖化防止活動推進センターによると、人間1人あたりが年間2.3トンのCO2を排出するとのことですので、18万人が一年間に排出するCO2と同じということができます。これだと大した量に感じませんが、年間に杉の木が2982万本が吸い込む量というと凄いかんじになりますね。

どんなに凄いかというと、
魂の森を行け―3000万本の木を植えた男 (新潮文庫)
という本が出るくらい凄い話のようです。

さて、やっと本題です。

楽天が日本郵便と連携しEC物流における不在再配達削減に向けて、配送・受取を効率化

楽天が日本郵便と連携して行くとのことですが、具体的には

(1)拠点受取サービスの拡充(コンビニエンスストア、郵便局、はこぽす、楽天BOXでの受取)
(2)指定場所配達サービスの実施
(3)通知サービスの充実
(4)1回で受け取った際の楽天スーパーポイントの付与

出典:EC物流における不在再配達削減に向けた 楽天と日本郵便の連携の強化

という施策から始めるとのこと。
コンビニ配達も、指定場所配達も、通知サービスも今まであったのに、使われなかったところから考えると、再配達せずに、受け取ると楽天ポイントがもらえるという部分に尽きるかもしれません。これまで通販事業者は配送業者に渡しておけばすみましたが、受け取り方までをきちんとトラッキングできるようになるのは良い点かもしれません。

再配達なしだと何ポイントの楽天ポイントが付与されるのか

再配達なしだと何ポイントの楽天ポイントが付与されるか、気になるところです。
このポイント原資は再配達コストから考えると、配送料の変動費の最大25%が対象になると考えられますが、答えはまだ見当たりませんでした。情報をお持ちの方、発見した方はご一報ください。

パナソニックは宅配ボックスが売れすぎて、新製品を先送りに

パナソニックは、2017年3月6日に発表した宅配ボックスの新製品について、4月3日発売予定を、6月1日受注開始へと延期しています。これは、既製品が通常の5倍にも上る需要が発生したためとリリースを発表しています。
出典:2017 年 3 月 6 日発表 宅配ボックス「 COMBO (コンボ) 」新製品 発売延期のお知らせ

宅配ボックスは一家に一つあれば十分なものですし、需要にあわせて生産ラインを増やすわけにもいかないものと考えられますので、急がず焦らず受注をさばいてその後新製品の生産ラインへとリプレイスするのかもしれません。

佐川急便が2013年に値上げ、アマゾン撤退

また、過去にさかのぼると、佐川急便が2013年に値上げを行い、アマゾンとの契約を大幅に縮小した結果、取引量が11%減ったことがありました。

取扱個数は約6億625万個だった。採算改善を狙って値上げを要請した結果、顧客離れがおきた。約7700万個減ったうち、米アマゾン・ドット・コム分が3000万個程度を占めているとみられる


出典:佐川急便、取扱11%減 4~9月、脱アマゾンが影響/日本経済新聞

2013年からはさらにネット通販が活況になっているのを踏まえると、この意思決定が無ければ、佐川は早々におかしくなっていたかもしれません。

まとめ

ラクスルの発表したハコベルなど、物流にもシェアリングエコノミーの流れが着ています。海外だと、自販機横のゴミ箱にIoT端末をつけることでゴミの満杯度合いをチェックして、回収を効率化したりということも取り組んでいるスタートアップが存在します。重いし、せかされるし、言ってもいないし、再配達ですらいないこともある。それなのに、遅れると激しく怒られる。こんなつらい職業はないかもしれません。そのうちドローンがすべてを配達してくれる世の中がくることも待ち遠しいですが、そうなると、今の配達員の方の仕事を奪うことにもなります。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便はバランスよく自分たちの中で次のイノベーションを生み出し行く必要がありそうです。また、オフィスビルではエレベータを上がって最終的に届けるのをヤマト運輸が請け負うという試みも始まっているようです。効率がよくなりますが、紛失や破損時の責任が不明瞭になってしまうので、どこまで広がるかは未知数です。

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