赤ちゃんの泣き声のAI解析サービスリリースも。パパっと育児@赤ちゃん手帳運営秘話|ファーストアセント服部伴之 代表取締役 登壇イベントレポート

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サムライインキュベーション主催の「社会を変える女性向けサービス最前線!女性を支えるユニークなサービス」にて、パパっと育児@赤ちゃん手帳などを運営するファーストアセント服部伴之 代表取締役が登壇されましたので、イベントをレポートさせていただきます。

イベント概要としては、女性向けサービスを運営する3社☓2回のパネルディスカッションとなっていました。他の登壇者には株式会社エアクローゼット天沼 總代表取締役を始め、ためになる話をたくさん聞けましたので、順次紹介してまいります。

なお、サムライインキュベーションはシーズ投資、コワーキングスペースの運営、グローバルコミュニティなど多岐にわたるベンチャー支援を行っているベンチャーキャピタルです。イベントはサムライインキュベーションのイベント一覧をチェックしておくと良いと思います。

なお、今回のイベントはイベント概要をご確認ください。

ファーストアセントとは


ファーストアセントとは、「登山やクライミングにおいて、誰も登っていないルートを初めて登った際に敬意を持って評される言葉」のことであり、その言葉のように、新規サービスを生み出していくことを目的にした会社です。

服部伴之社長が元研究者ということもあり、テクノロジーの力を使って育児を変えていきたいという思いのもと、数々のサービスを生み出しています。「遺伝子データは先天的なもの。後天的なものとして妊婦日記、育児データ、保育園生活データを集めテクノロジーで子育てを変えていく。」ことをビジョンとして語っていただきました。

そのサービスの一つが、第8回キッズデザイン賞 受賞アプリである「パパっと育児@赤ちゃん手帳」です。このアプリは、服部伴之の奥様の出産、育児の中で、育児メモの大変さを目の当たりにしたことが原体験となったアプリとのことです。

パネルディスカッションの中で、パパっと育児@赤ちゃん手帳を生み出していく中で難しかった点など、お聞きすることができました。

パパっと育児@赤ちゃん手帳については30秒動画にまとまっていましたので、そちらをご確認ください。

パパっと育児@赤ちゃん手帳をリリースする前の状況とは


育児メモという観点では、当時もメモアプリは存在していたそうです。しかしそのアプリたちは、メモをするだけでした。しかし、赤ちゃんの生活は一日が24時間でしっかり区切れるものでもなく、メモの内容も泣いた回数や排便などの回数など多岐にわたるため、単純にメモを取っていくことが難しいものでした。結果として、紙の手帳で管理することもまだ依然として多くあり、服部伴之社長の技術力により、より簡単にメモして、分析していくことができれば、ママさんの役に立つのではないかという発想となったとのことでした。

パパっと育児@赤ちゃん手帳を企画開発する中での苦労とは


パパっと育児@赤ちゃん手帳の構想は原体験から生まれ、実際にモックを作りママさんにヒアリングを進めていったそうです。

実際にモックを作って見せた反応としては、「けちょんけちょん」。「見える化して、統計がわかるのは便利じゃない?って聞いたら、それは男性脳だと使ってもらえなかった。」

企画段階で、モックにより検証を行っていくのはベンチャー企業としてはよくあることだと想います。しかし、反応はわるかった。そうなると、一見諦めてピボットしてしまいそうですが、服部伴之社長は諦めませんでした。

一人のヒアリングしたママさんから、統計というような説明だけだと女性には伝わらないという話があり、「作って出したら、実際には生活リズムや統計は見られ、使ってみたら良さがわかってもらえた。」

そのママさんとの出会いがなければ、服部伴之社長が途中で諦めてしまっていれば、このパパっと育児@赤ちゃん手帳は生まれていなかったということになると思います。

パパっと育児@赤ちゃん手帳をグロース方法とは


「産婦人科でママさんは赤ちゃんの行動をメモるようにと言われます。その中で、紙でメモしたいという方は未だにいる。そういう方一人ひとりに説明していくことが大切。」

「また、宣伝してくれるようなファンを増やすしていくことに重きをおいている。」
そのファンはどうやって作っていくかというと、
「CS(カスタマーサポート)を徹底して行い、クレーマーをファンにしていくこと」が重要とのこと。

クレーマーは気にかけてくれている人であることは間違いなく、興味関心があることに違いはありません。その期待をしていたのに裏切られてしまった状態を超えていくということは、クレーマーにやさしさを返すことでリピーターにするという「日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!」の中でも語られており、重要な観点ですが、サービス運営の中で見落としがちな事業責任者の方も多いのではないでしょうか?

服部伴之社長は続けます。
「”システムはこうだから”ではなく、きちんと耳を傾け対応していくことが重要。データは”思い出”になってくる。例えば子供がアプリを消してしまったときに、どうやってデータ復帰できるか、などサポートをしていく。」

「データは思い出」というのは、非常に実感するところです。ツイッター上でたびたび見かける「機種変でLINEのメッセージ消しちゃった!」という嘆きはこのサービスを使っていない人でも同じように感じていただけるのではないでしょうか。

赤ちゃんの泣き声ををAIで分析するサービスをリリース予定


会場からの質問で、今後伸びると考えているサービスを聞かれた服部伴之社長は、自社でリリース予定としつつ、赤ちゃんの泣き声分析サービスを始めることを告知しておりました。

東洋経済の2016年1月5日の記事によると、台湾の国立雲林科技大学の研究チームがに赤ちゃんの泣き声分析として4種類の識別を可能にしています。

赤ちゃんが何を伝えたいのか分かる「泣き声翻訳」のモバイルアプリを、台湾の国立雲林科技大学の研究チームが開発した。チームを率いる張川玉教授によると、泣き声をクラウド上で解析して「空腹、排泄、眠気、痛みの4つのメッセージを識別」できる。

出典:東洋経済

engadgetの2016年1月22日の記事によると、日本でもCerevoがクラウド型スマートマイク Listnr (リスナー)の販売を開始しています。

日本発のIoTメーカーCerevoは、クラウド型スマートマイク Listnr (リスナー)の販売を開始しました。直販サイトでの価格は1万6900円です。赤ちゃんの声から感情を判別しスマートフォンに通知するという基本機能のほか、アプリ開発のための開発者モードを備えます。

出典:engadget

TABILABOの2016年5月24日の記事によると。
ファーストアセントの開発中の機能として、

「眠い70%、つまらない25%、おなかがすいた5%」など、可能性が高いもの順に表示。

という開発が進捗しているとして、同社の1,000人ほどのモニターを募集を伝えている。
出典:tabilabo

各社しのぎを削る赤ちゃんの泣き声の分析。人それぞれ異なる感情と複合的な要因をもとに、お話ができないお赤ちゃんの気持ちを代弁し、育児ノイローゼになるママさんを減らしていくことができるか。ファーストアセントが抱えるこれまでの豊富な子育てデータとの連携とAIとの連携により生まれるこれまでにない価値を楽しみに待ちたい。

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